工房ともでは木の小物を作成する工程やそのた木にまつわる話をブログ「癒しの木」で綴っております
その中より、ペン立て作成行程を抜粋しました
「工房とも」のペン立てがどのようにできているか、よくご理解いただけると思います

┣ その1 木たちに相談・・・木取り~板接ぎ
┣ その2 精度よく・・・裁断~粗仕上
┣ その3 0.1mm単位の加工・・・ボックス型箱組み 
┣ その4 新顔工具で加工・・・ブロック型ホール加工
┣ その5 木地最終工程・・・ボックス型台座加工・木地最終仕上
┣ その6 今回の脇役たち・・・端材
┣ その7 赤ちゃん肌目指して・・・オイル研ぎ 
┣ その8 「入魂」・・・焼版プレス  
┣ その9 嫁入り支度・・・アップ準備

 その1  精度よく・・・裁断~粗仕上


ビジネス部材・あちこちからの依頼品・・・等々の合間に次のHPにアップしようと考えているペン立てを製作開始
今までにもいくつか作った事はあるが今回は3種の材料で、ブロックに穴を開けたのもとボックス型で無造作に沢山入るのを製作

例によって、思うような大きさの材料はそうはないし、材料を無駄に出来ないんで、板接ぎを多用して製作



パープルハートは、いつ相手にしても手強い。。。
ブロック型製作のため、厚み方向にプレスするが、プレーナーより精度よく平面出しするために長台鉋を使用
接着剤の効きは、密着面の隙間に反比例するため、とにかく平面を出して、ピタッと接着したい
あいも変わらず、逆目は深く、如何せん堅い



注文家具屋の時に多用したマコレとタモは、パープル君に比べれば、二人ともずっと素直で良い子
タモはボックス型用の薄板材も接ぎ合わせ



端金・Fクランプを外して、接いだ材料が完全に一つになり、ずしっとその重みを感じる瞬間、大好きなんだ
その瞬間から決して離れることなく、一つの作品となって人の手に触れられる


自分が木たちの「人生」ならぬ「木生」を決めてるんだなぁ~・・・責任

 その2 精度よく・・・裁断~粗仕上 


端金やクランプを外せば、ずしっと重い加工前の彼ら、長台鉋でピタッと接いで、完全に一体化した
タモ・マコレ・パープルハート君達を加工開始



まずは以前にも作った事のあるブロック型から加工
正確に直角を出して角棒にして、っと
長さを裁断する前に清水をうって4面手鉋がけ
長さを切ってからだと、手鉋かけにくいもんね



同じように直角に気を付けて長さを裁断
材料がゴッツイだけに、微妙な鋭角や鈍角は、自分の好きな直線の機能美を極端に損なわせてしまう



さてと、やっとペン用のホールを空けるところまできた
けど、、、その前に同時進行のボックス型の加工に入ろう

 その3 0.1mm単位の加工・・・ボックス型箱組み

ブロック型がきりのいいところまできたんで、ペーパーがけのタイミングを同じくするためボックス型の製作を開始

「何で?」って、一つの作業台で、鉋がけとペーパーがけは同時にはしない
昔のように鮫皮で研いでた時ならまだしも、今のサンドペーパーは、硬質粒子のかたまりで、その研ぎかすは、刃物の切れ味を極端に劣化させる
だから、鉋がけとペーパーがけは別って自分は決めてる



能書きはこれくらいにして、、、っと、早速ボックス型の加工を開始
それぞれ3分ほどの厚みの板を「片胴付追入継」の加工
箱型に組んだ時、木口面も見えるんで、極力アロアンス(ホゾ穴のクリアランス)を抑えて緻密に加工



後で仕上げしにくい、内部面をきちっと仕上げてっと、ボンドをつけてやっと組み込み~



乾燥を待つ間に、ブロック型のホールを開けなくっちゃ
時間がもったいない、段取り第一!

 その4 新顔工具で加工・・・ブロック型ホール加工

ボックス型の乾燥を待つ間に、ブロック型のホール加工
1つや2つ開けるなら電ドルでちょちょいだけど、数えてみると、200箇所近いホールが必要

購入間もないボール盤にきっちり治具(ジグ)をつけて(ジグ:特定の加工作業のための型)、同じ深さにまっすぐ開くように慎重に作業



ペンが入りやすいように、面も取って



ホールの中は、ペーパーを丸めてシャキシャキ、グルグル



わ~、自分の苦手なルーチンワーク、思ったより大変だぁ~
今日はこれだけやって終わりそう。。。

 その5 木地最終工程・・・ボックス型台座加工・木地最終仕上

ブロック型の加工、ボックス型の組み込みまでは何とか終了
いけねぇ、ボックス型の台座を作らなくちゃ
安定させるためのウェイトもかねているんで厚板をプレス



使いやすいように、程よい勾配をつけて



長さをカットして、大好きな3方切り面の加工



清水うって、木地最後のペーパーがけ



ビジネス部材・人からの頼まれ物・大事な人への贈り物・・・
いろんな事の狭間にやってきたんで、ここまでの道のりは何時になく長かった~~~

さて、やっと待ちに待った、オイルフィニッシュに突入
お気にの赤ちゃん肌目指して、GO!

 その6 今回の脇役たち・・・端材

番外編

ブロック型・ボックス型、2種類のペン立ての製作中
それぞれに面白い切り落ちが出た

ブロック型のほうはと言うと・・・
勾配をつけるために裂いた時の三角の切り落ち



単なる横目の楔(くさび)と思いきや、積んで見るとご覧のとおり



存外に綺麗!そのうち何かに使ってあげようっと
さて、ボックス型のほうはと言うと・・・



箱組みした後、耳落とししたフレーム状の切り落ち
待てよ、、、ボックスと台座の間に入れて、化粧象嵌(ぞうがん)に使えないかなぁ

そうじゃなくても時間と闘っているのに、作品制作のお邪魔になる「ともの欲目」でした。。。

でも、このまま捨てられちゃうのは可愛そうだよね

 その7 赤ちゃん肌目指して・・・オイル研ぎ

色んなインタバールがあって、長かったここまでの工程
やっとオイルフィニッシュに入れる・・・ふ~っ



とは言っても時間的に見れば、半分終わったに過ぎない
ブロック型のペン用ホール、ボックス型の手の入りにくい内側、やたらと研ぎにくいところが多そうだ



それにブロック型・ボックス型、合わせて40個近くあるから、1回のオイル研ぎに殆ど一日かかる
それを3回以上やるから~、乾燥時間を入れると~、最低でも正味一週間。。。



仕事帰りの夜半、週末、その全てをつぎ込んで、結局オイル研ぎは、目標の風合いにいたるまで4回に及んだ
足掛け2週間を費やし、やっと目標の赤ちゃん肌にこぎつけた



さて、あとはデータ入力して、HP用のフォト撮影して簡易包装
とは言っても、それで丸一日以上はかかる
しかし、、、道のりは長いね~。。。

 その8 「入魂」・・・焼版プレス                   

当初予定の3回のオイル研ぎでは満足いかず、4回目のスポンジを使用したオイル研ぎで
やっと目標の赤ちゃん肌にこぎつけた、、、ふぅ~



いつまでも気持ちよく、すりすりと撫でているわけにはいかない
早速に次の作業「焼版」プレスに突入、バーナーで程よい温度に熱して、っと



材料への愛情、健康な事への感謝をこめて「ジュ~ッ」



購入してくださる方の目障りにならぬよう、見えないところに「チビ版」も圧して~



自分の魂を植え付ける、心洗われるひと時でした

 その9 嫁入り支度・・・アップ準備                 

「入魂式」とも言える焼版プレスも終了



転倒したり簡単にずれたりしないウェイトは持っているけど、真に使い勝手を思いやって、滑り止めを貼付



10年物のロートルノートPCにのせた自作MDBに、30項目ほどのデータベースレコードを入力して

後は撮影と包装だけなんだけど・・・実はもう半日以上かかります

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